本当に危険なハザードランプ

本当に危険なハザードランプ

 

 

先日、僕が車で家に帰るときのできごとでした。

 

 

僕が住むエリア付近の道路は、片側一車戦で、制限速度が40キロなのですが、僕の前を走る車が非常に遅かったんですよ。

どれくらい遅かったかというと、時速20キロくらいでしたね。20キロ出てたかも怪しいくらいです。

 

 

車のナンバープレートには、米軍基地の人が運転している証の「Y(ひらがなの部分)」がありました。(他にもE、Aがあります)

なるほど、Yさん(アメリカ人)が運転しているのか。

 

 

住宅街だから子どもが飛び出してきても、すぐに止まれるように安全運転なのかな、初めてこのエリアに来る人で迷っているのかな、友達の家を探しているのかな、などと僕はドライバーの立場になってみて考えてみました。

 

 

それにしても遅すぎる。あと2つ交差点を突き抜ければ家にたどり着くところだったので、もう少しの辛抱だと自分に言い聞かせました。

 

 

その車は左折して僕も左折しました。このエリアは路駐している車が多いのですが、いつものごとく反対車線には車が1台止まっていました。

こちら側の車線には十分なスペースがあって問題なく通れ、路駐の車をかわす必要もないので、100メートル先の一時停止に備えました。

 

 

と、その時でした。前方のノロノロ走っている車のブレーキランプが点灯して完全に停止しました。

いや、一時停止するの早すぎるでしょ、と思っていると、さらにハザードランプまで点灯し始めました。

 

 

しかも、走行車線のど真ん中、かつ反対車線に路駐のある車があるポイントで。

 

つまり、どういうことかというと、ほぼ僕の通り抜けるスペースがないんですよ。

 

 

ノロノロ走行は許せるにしても、

いやいやいや、もっと止める場所考えろ、最悪でももっと路肩に寄せて停止しやがれ、ってなりますよね。

 

 

どんだけ自己チューなやつなんだ、顔が見てみたいわ。これは注意してやらなあかん、と思っていると、Yさんが車から下りて歩道に歩き出しました。

 

 

Yさんを見た瞬間、今までの怒りは消え、僕は反射的に心の中で謝っていました。

 

 

 

どうも、すいませんでした。

 

 

 

それほどYさんが放つオーラはとてつもないものだったのです。

僕は悟りましたね。ナンバープレート 「Y」の本当の意味を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Yは、横綱(YOKOZUNA)のYでしたね。

 

 

Yさんの体格といったら、まるで横綱白鳳でした。

 

 

 

しかもスキンヘッドでヒゲが伸び放題、タンクトップでは覆いきれない体中に彫られたタトゥー。

 

 

 

僕の脳内では、ハザードランプが点滅して、激しくアラーム音がなり、緊急事態を宣言していました。

絶対にやつに関わるな。死ぬぞ。

 

 

 

 

 

僕は横綱を刺激しないように、軽自動車1台がかろうじて通れるスペースをゆっくりと進んでいきました。

 

 

ここで、おいユウマ、共感力が大切だ、相手の身になって考えることが大切だ、といつも言っているくせに、人を見た目で判断しているじゃないか、という声が聞こえてきそうですが、

そのあと、僕の判断が正しかったことを示す行動を横綱が取ったのです。

 

 

 

やっぱり横綱が何をしているのか僕は気になったので、気配を消しながら横切り、横目で彼を観察してしまいました。

 

 

横綱は手にスマホを持ち、風景を写真に収めようとしていました。

ちょうどその時通りかかったおじいさんがいたのですが、横綱はそのおじいさんに対して嫌悪感をあらわにして、早くどけ、と手を振っていました。

おじいさんは意味がわからないようで、ぽかんとしていましたが、最終的には横綱とは別方向へ歩いていきました。

 

 

以上のことからもわかるように、僕の「素通りする」という判断は間違っていなかったことになります。

もし、しょうもない正義感などかざして、むやみに「交通ルール」なんかを横綱に説いていたら、強烈な突っ張りをくらうか、「ヘイ、ブラザー」と笑顔で強烈なハグで背骨を粉砕されていたと思います。

確実に死亡コースですね。

 

 

正義を貫いて死ぬか、逃げることによって恥をかいてでも生きることを取るか。

 

 

 

 

 

僕は完全に後者をとりますね。「逃げ恥」を取ります。

 

 

なぜなら、生きている限り、どんなことでも挑戦するチャンスがあり、あきらめずに挑戦し続ける限りは、人生の勝利が待っているからです。

そういった意味ではむしろ、「逃げるが勝ち」ですね。

 

 

ですので、誰がなんと言おうとこの場合は、

 

 

 

逃げ勝ちだったと思んです。

 

 

 

 

 

 

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