命がけの捜索

命がけの捜索

 

 

それは、信号待ちをしてるときのできごとでした。

この日の空は、雨雲で覆われ、どんよりとしていました。すでにぽつぽつと小さな雨粒が降り始めています。

 

 

 

こんな日は、何か良からぬことが起きそうだ。

そんなことを考えていると、やつは、どこからともなく僕の車のフロントガラスに現れたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

な、なんじゃこりゃーーーーーー!!!

 

 

 

 

ク、クモか・・・? 8本の内4本も足がなくなっているではないか。

もし人間が片腕と片足だけになったら、義足とか車椅子なしで移動するのって相当難しいじゃないですか。なのにこいつは、それでもスイスイと移動してるんですよ。ハンパない生命力だ。

 

 

 

 

クモのたくましさに驚いていたのですが、青信号に変わらないか心配になって視線を前方に移した時にさらなる衝撃が走りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

トイ・ストーリーのウッディーやん!!!

 

 

 

 

待てよ、てことは、ウッディーは仲間を探しているのかな。

ここで、僕はすべての謎が解けましたね。僕の車のフロントガラスにいるのは、足を4本も失ったクモではなく・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいつですよね。(ベビーフェイス、トイ・ストーリーより)

 

 

ウッディー、君の仲間はここにいるよ! と、心の中で叫びましたが僕の声が彼に届くはずもなく、青信号に変わり車を発進させると、僕の妄想と、所詮、ハンパない生命力を持ってるだけに過ぎないクモは、風で吹き飛ばされ消えていきました。

 

 

 

たけき者もついには滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ。(ハンパない生命力を持ったクモも結局は滅び去る。まるでフロントガラスのクモのようだ)

 

 

 

 

こんなこと言ってるから、僕のフロントガラスに鳥が原爆を落としていくんだと思います。

 

 

 

 

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