洗脳 地獄の12年からの生還 Toshi

洗脳 地獄の12年からの生還 Toshi

 

 

「洗脳」、強烈なタイトルですね。

こんなことあるのか、と信じられない人もいると思いますが、ここで質問です。

あなたが持っている1万円札、実はただの紙切れって知ってましたか?

みんながこの紙切れに「1万円の価値がある」と信じているからこの仕組みが成り立っているわけですよ。

 

周りの人が全員Aが正解だよ、といっている状況でBという選択を自信を持ってできますかね?

答えが実際にはBでも、大抵は周りにつられてAを選んでしまうのではないでしょうか。

こうやって洗脳は起こります。

 

 

本書ではToshiさんがどのようにして自己啓発セミナー団体「ホームオブハート」のMASAYA氏、守谷氏によって洗脳されていくのかが一人称で語られていきます。

あたかも自分が体験しているかのように読み進めれるので、容易に感情移入できてリアルに感じられます。

 

人は誰でもメンタルが落ちているときは、不安に耐えられず安心感を求めるものですよね。

そこに罠が仕掛けられているんですねー。

 

 

僕も以前は自己啓発本やスピリチュアルな本にハマっている時期がありました。

確かに、読んだり実践するといい気分になれるんですよねー。

しかし、ここ数年で科学書をたくさん読むようになってから、驚きの事実を知りました。

 

科学論文を年間5000本以上読むと言うパレオさんのブログから、いくつか記事をピックアップしておきますね。

年に4冊以上の自己啓発書を読む人は、普通の読書好きより「ストレス」に弱くて「うつ傾向」が高いんですってよ

自己啓発本によくあるデタラメ4選

ポジティブシンキングで人生をムダにしないための5つのポイント

知性が低い人ほどスピリチュアルに走りがち!という研究結果

 

それと、本書を読んでて思ったんですけど、団体の人たちがToshiさんを洗脳していくための言動に以前に僕が紹介した「コールド・リーディング」の要素が入ってる感じがしましたね。

コールド・リーディングに加えて、なるべく外部の人間と隔離して内部の人間の意見を聞かせまくって誘導していく。

うーん、簡単には「ノー」と言えなさそうですね。

 

 

そうならないためにもやはり、複数の視点を持つことが重要ではないでしょうかね。

講師の経歴や肩書きは?

講師の主張している根拠は?

データの情報源は?

 

こういった質問をする癖をつけるには、お馴染みの「クリティカル・シンキング(批判的思考)」ですね。

 

それと合わせて、人間がどういった思考の癖があるのか、これは科学的には否定されてますよー、といった知識を身につける必要があるでしょうね。

 

結論からいうと、洗脳されないためには「自分の思考を疑う」という究極奥義を身につけるべし。

 

 

最後に、常識に囚われつつも好奇心から行動していく僕の『とんでもない冒険記』を紹介します。

『冒険で学ぶ人生のサバイバル術(上)(下)』、もし興味があればチェックしてみてください。

Kindle Unlimitedで無料となっています。

Kindle Unlimitedに入ってなくても、冒頭部分は無料で読めます。