クレイジー

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第58話 レンタル彼氏

    僕たちは再びサヌールに戻ってきた。サヌールに来たのは何度目になるだろうか。バリ島にいるはずなのに、なんだかホームタウンに帰ってきた気分だ。と言っても、実際はまだ3度目なのだが。 前回も泊まったインディホテルにチェックイン。ブラジル人2人と日本人2人の男4人とマルセロの妹ビアンカだけだった旅が始まった頃と違って、タイサが合流してアレックスとビビのカップルが合流してからは、 […]

第49話 根に持つタイプ

    ウブドからマイクロバスで出発して1時間ほど経っていたようだ。マイクロバスが止まったところで目が覚めた。 出発からかっ飛ばしていたので(車ではなくみんなのテンションのことね)早急にエネルギーを使い果たし、車内のほとんどの人が眠っていたようだ。       外を見るとすぐそこにコンビニがあった。運転手が車から降りたところを見ると、どうやら休憩時 […]

第46話 ポケモンゲットだぜ

    いつの間にかDJガールは帰り支度をしていて、一緒に来ていた友人とともに帰ろうとしていた。 やばい、せっかくの獲物に逃げられてしまう。 ハンターと化したオレは、気がつくと彼女の目の前に立っていた。男の本能がそうさせたのだろう。       しかし、何の策も練っていなかったオレは、コミュ力が皆無だった20代前半の頃のようにあたふたした。そう、い […]

第45話 DJガール

    あのお姉さんをDJブースで発見してテンションの上がったオレは、彼女に声をかけようと思ったところを、彼女のプレイの邪魔をしてはいけないと、もう一歩のところで踏みとどまった。仕方なく、目から熱光線が出そうなほどの眼力を込めて見つめた。     オレの熱光線は彼女に届いて、彼女の心を焼き焦がしたのだろう。彼女はオレに気づいて、DJの機器から手を離して、こち […]

第44話 クリスマスプレゼント

    クリスマスイブ二軒目のバーは、アグン山登頂の直前にもお世話になった、リサとユナのいるミュジックバーへ。 バーの前に差し掛かると、ユナが昨日と同じく笑顔で呼び込みをしていた。 オレたちの姿を見つけると、もちろん飲んでくわよね、といった具合にわずかに流し目を使ってオレたちに声をかけてきた。       その手には乗るか……いや、乗っておこう。お […]

クレイジーハロウィン最終話 リアルハロウィン

    約1時間、電車に揺られて空港にたどり着いた。 特にやることもないので、早めにチェックインを済ませて保安検査場を抜けて待合室に座った。       3日間夜通しで遊んだ韓国をもう離れるかと思うと、なんだか寂しい気持ちになった。だが、沖縄からソウルまでの飛行時間は2時間と、東京に行くより短い時間で来れるかと思うと、またいつでも好きなときに行ける […]

クレイジーハロウィン第12話 黄昏トレッキング

    外に出るとすでに太陽は、終業時刻が近づいて帰り支度を始めているかのように、下がり始めていた。夕方の気配が感じられて少し肌寒い。 オレたちはコンビニでサンドイッチを買って腹ごしらえをして、タクシーを捕まえて山へ向かった。       1時間もしないうちに山へ着いて、オレたちはトレッキングのスタート地点に向かった。オレたちは、複数あるコースの中 […]

クレイジーハロウィン第11話 電車内でのオリンピック

    オレたちは電車に乗って帰路についた。日曜日の朝8時過ぎ。電車の中は、オレたち以外に2、3人の乗客がいるだけで、ほとんど空っぽで静かだった。朝の静かな電車の中に、普通のトーンで話すオレたちの声だけが響いていた。       「ねえ、みんなこれできる?」 まだ元気が余っているエイミーが、眠そうな顔をしているオレたちに声をかけた。2つのつり革をし […]

第40話 DEATH SLIDING デス・スライディング〜死への滑走〜

    下山は登り以上に過酷だった。登りで体力を使い切った上に、一歩一歩踏み出すたびに、登り以上の負荷が足にかかる。そんな体に、まず最初に岩場エリアの試練が襲いかかってきた。 ガイドのおっちゃんのあとに続いて、一歩一歩慎重に踏み出していく。       まずは安定するポイントを、何も目印のない大きな岩の中に探して、そっと足を置く。岩は露で湿っている […]

クレイジーハロウィン第8話 リアルゾンビ!?

    せっかく出会ったピッコロという仲間との別れはつらかったが、先へ進まねばならない。気持ちを切り替えて、新たなドラゴンボール仲間の発見に期待しよう。       途中、お酒が切れたので、コンビニによって、コスプレの人たちだらけのトイレの行列に並んで用をたし、ひとりひとりがビールやマッコリを調達して、再び通りに戻った。 行列の中を小さくまとまって […]