第64話 リッキー氏

    僕たちがビーチに辿り着いたとき、闇が空を覆い始めていた。 ビーチへ行くには、大きな岩の間にあるかろうじて人がひとり通れる階段を下りていかなければならなかった。 暗くなり始めているこの時間帯に海に向かっていくのは僕たちだけだ。上がってくる人たちをよそ目に、僕たちは階段を下りていった。       階段の下までいくと満潮に近づいているようで、す […]