ある日の朝、近所のスーパーへ買物に行こうと家から車を出しているときでした。
近くを歩いていた外国人男性が合図をして僕の方に近づいてきて声をかけてきたんですよ。
外国人「すみません。この近くにバス停はありますか?」
僕「目的地はどこですか? 目的地によってバス停が違いますけど」
外国人「美ら海水族館です」
美ら海水族館とは沖縄県の北部、本部町にある観光客に大人気の水族館で、現在この男性がいる北谷町からバスで2時間以上、車で1時間半の場所に位置している。
僕「バス停はここからは少し離れているのでバス停まで送っていきますよ」
外「本当ですか? ありがとうございます」
僕はその外国人男性を車に乗せてバス停に向かいました。
ふと、今日は夕方まで特に予定もなく時間があることに気づいたので、僕はひとつ提案してみることにしました。
僕「今日は夕方まで時間があるので、もしよかったら水族館まで私が連れていきましょうか?」
外「そこまでしてもらったら申し訳ないですよ。本当にいいんですか?」
僕「はい。面白そうだし行きましょうよ」
外「ではお言葉に甘えさせていただきます。よろしくお願いします」
僕は寝起きのラフな格好だったので、着替えるためにスーパーで買い物をしたあとに一度自宅へ引き返しました。
家で支度をしながら彼と話していると、彼はブラジル人で名前はジョナス、現在、日本を3ヶ月かけて旅して回っていて、旅の最後に沖縄に来ているということがわかりました。
「すごいですね! それにブラジル人なんですね!」
僕はそれまで英語でジョナスと会話していましたが、彼がブラジル人であることがわかるとポルトガル語で話してみました。
ジョナスは、不意に僕がポルトガル語で話したのを聞いて驚きました。
「え、なんでポルトガル語を話すの?」
僕は、以前にブラジルにサッカー留学をして、そのあとも何度かブラジルに行ったことがあるので、ポルトガル語を覚えて日常会話レベルくらい話せることを彼に説明した。
ジョナスはさらに驚いて、笑顔で話しました。
「3ヶ月間日本を旅していて、ポルトガル語を話す日本人に初めて会ったよ」
ブラジルつながりでさらに親近感が湧いたようで、ジョナスはさらにフレンドリーになりましたね。
僕の支度が終わり、僕たちは美ら海水族館に向けて出発しました。
美ら海水族館までの道のりで、ジョナスは日本のことが大好きで日本語を勉強していることなど、いろいろなことを話してくれました。
そしてようやく、美ら海水族館について駐車場に入ろうとしたもののなぜか閉まっていました。
よくみると、駐車場の前に張り紙がされてあった。
「本日、設備点検作業により休館日となります」
なんと、年に2回しかない休館日に僕たちは来てしまったんです。あちゃー。
どうしようもないのでプランを変更して、近辺のもう一つの観光スポット「備瀬のフクギ並木道」とその先にある「備瀬崎ビーチ」へジョナスを案内することにしました。
フクギという木がそのエリア一帯を覆い尽くしていて道になっているのが「備瀬のフクギ並木道」である。サイクリングをするのが醍醐味なのだが、今回僕たちはは歩いていきました。
写真好きのジョナスは並木道でたくさん写真をとり、ときどき僕を被写体にしました。ジョナスの日本での旅を本にして出版するらしく、僕のことを書いてくれることを約束してくれました。もしかしたら僕はブラジルで有名になるかもしれないと、しばらくの間妄想していたのは内緒の話です。
その後、一緒にランチを食べて、彼を宿に送って今日の弾丸観光案内が終了となりました。
翌日、ジョナスはウチのエアビーに泊まりに来てくれて、次の日の朝に空港へ送り届けました。どうやらジョナスは今回の沖縄の旅にとても満足したようでした。
ブラジルかどこか別の国での再会を誓って、ジョナスはブラジルへと飛び立っていきました。
僕がブラジルへいったときに何度も助けられたので、他人に優しく接するように意識はしてますが、ブラジル人に対しては無意識に通常の3割増しで優しくなります。
あわせて読みたい
2013年1月、ワーキングホリデーでカナダのバンクーバーに1年間滞在したあと、ブラジルのサンパウロにいました。 その時に出会った人の言葉が今でもずっと心に残っていて、僕がブラジル人に対して通常の3割増しで優しく接する理由となっ ブラジル人への3割増しの優しさ - ユウマのドキドキ、ワクワク大冒険記 |
この話がおもしろかったら、いいねやシェアお願いします。