本書は、以前に僕が読んだケヴィン・ダットンの「サイコパス 秘められた能力」と「サイコパスに学ぶ成功法則」とは違って、連続殺人犯に見られるような僕たちのイメージ通りの「悪いサイコパス」に焦点を当てたものです。
サイコパス研究の第一人者である著者が、これまでにインタビューしたり調べたサイコパスの犯罪者たちの思考や行動が明らかになります。
本書を読むことによって、身近に潜んでいるサイコパスからの被害を防ぐ、もしくは被害を最小限にとどめることができるかもしれませんね。
この記事では、本書から僕が興味深いと思ったサイコパスの特徴、サイコパスは生まれた時からサイコパス、生存戦略としてのサイコパスの三点を取り上げていきます。
1・サイコパスの特徴
サイコパスには以下の特徴があります。
〈感情/対人関係〉
・口達者で皮相的(うわべだけの発言)
・自己中心的で傲慢
・良心の呵責や罪悪感の欠如
・共感能力の欠如
・ずるく、ごまかしがうまい
・浅い感情
〈社会的異常〉
・衝動的
・低い自己コントロール能力
・常に興奮を求める
・責任感の欠如
・幼い頃の問題行動
・成人してからの反社会的行動
口達者(嘘)で自分を魅力的に見せることに長けていて、自己中心的・衝動的で、良心・共感力が欠如している、の3つだけでも覚えておくとサイコパスを見分けやすいんではないでしょうか。
サイコパスは専門家でも騙されるほど口が達者なので、いろんな面から判断したほうがいいかもしれませんね。
2・サイコパスは生まれた時からサイコパス
親から虐待されるなどの劣悪な環境で育った子供が大人になったとときに社会的異常者・犯罪者になりやすい、という認識が僕たちにはあるかもしれません。
しかし、この場合一般的な見解ではソシオパス(反社会性パーソナリティ障害)というもので、後天的に性格や行動に異常をきたすというもの。
サイコパスの場合は、恵まれた家庭にもかかわらず幼い頃から以下に示すような行動を取ります。
・執着心が強く、よくすぐバレる嘘をつく
・他人の感情や痛みに無関心か、理解できない。
・親や教師、規則に反抗的
・絶えずトラブルを起こし、叱ったり罰を与えても応えない
・物を盗む
・攻撃的で、いじめやけんかを繰り返す
・動物を傷つけたり殺したりする
・幼くしてセックス体験をする
・破壊行為や放火をする
子供の悪事に手を焼いてる親が悩むこともあるかもしれませんが、子供がサイコパスの場合もあるわけなんですね。
3・生存戦略としてのサイコパス
宗教的には「人間は神様の創造物で動物とは違う生物」という認識ですが、科学的には人間も動物の一種に過ぎず、自然選択という自然の摂理でたまたま地球の支配者になっているだけです。(むしろ、こっちの方の奇跡に驚き)
生物的にみると、人間も他の動物も生きる目的は「子孫を残すこと」。
つまり、サイコパスの特徴の一つである「不特定多数の人と性的関係を持つこと」は子供を作る確率を高めるので、生存戦略的には理にかなっているわけです。
これがサイコパスが現代にも生き残っている理由のひとつとする科学的な見解です。
このように人間を動物と認識した場合、人間の不可解な行動にも説明がつくのです。それを追求する学問が進化心理学です↓
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まとめ
著者は、サイコパスはアメリカで300万人、ニューヨークには10万人いると述べています。
ということは、もちろん日本にもいる可能性大なんですよ。僕たちの周りにも潜んでいるでしょうね。
しかし、世の中にはCEO、弁護士、外科医のサイコパスの割合の高さにみるように、悪いサイコパスだけでなく良いサイコパスもいます。
ですので、サイコパスについてよく理解し、対策をしていけば被害をなくす、もしくは被害を最小限に抑えることができるのではないでしょうか。
性格の半分は遺伝子で決まっているので、サイコパスのように何を言っても応えない人もいるわけです。
自分の時間を大切にするためにも、勉強して対策していきましょう!
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