小説『秒速五センチメートル』 新海誠

小説『秒速五センチメートル』 新海誠

 

『言の葉の庭』に続き、新海誠ワールドにお邪魔させていただきました。
今回は、『秒速五センチメートル』です。

 

 

 

この小説は、

第一話「桜花抄」
第二話「コスモナウト」
第三話「秒速5センチメートル」

の短編3話から成っています。

 

 

 

「桜花抄」
小学生の明里と貴樹がお互いに「他人にはわからない特別な想い」を抱き合いながらも、明里の転校によって小学校卒業と同時に離れ離れになってしまう。

 

 

 

「コスモナウト」
中学2年から種子島に引っ越してきた貴樹に5年間ずっと片思いしている花苗の視点から物語が進んでいく。
花苗は、貴樹と打ち上がったロケットを見たときに、貴樹が自分のことなど見ておらず、ずっと遠くにあるものを見つめていることを悟る。

 

 

 

「秒速5センチメートル」
社会人になった貴樹は、その後何人かの女性と付き合ったが、貴樹の心は今も明里を追いかけ続けていた。
そんな貴樹とは対象的に、貴樹との思い出を過去のものと昇華して、別の男性と結婚することになった。

ある日、貴樹が踏切で女性とすれ違った。もしかしたらこの人は、と貴樹が振り返ったときには、彼女はそこにはいなかった。
どちらでもいい。もし彼女があの人だったとして、それだけでもう十分に奇跡だと、彼は思う。

 

 

 

みんなが一度は経験したであるであろう幼いときや、学生時代の懐かしい恋の記憶を思い出すような作品。

 

新海さんの作品に共通する『喪失感』がこの作品でも、厳選された美しい言葉たちで描写されていて、その言葉たちが読者の胸を締め付けてきます。
正直、本を読み終えたあと、主人公貴樹になってしまい、放心状態となりました。

 

 

 

「貴樹くんはこの先も大丈夫だと思う」
頭の中に明里の声が響くのでした。

 

 

映画の方も観て、トドメを刺されてみようかと思います。