家庭内イグアスの滝

家庭内イグアスの滝

 

 

イグアスの滝って知ってますか?

 

イグアスの滝は、南米大陸のブラジルとアルゼンチンにまたがる世界最大の滝です。

2018年3月に1か月の間、ブラジルを旅したときに見てきました。

 

最大落差が80メートル以上もあるので、滝壺付近では激しく水しぶきが上がっていて、近づくとずぶ濡れになってしまいます。

 

 

すぐに髪の毛がウェットになりましたね。

 

この辺の詳しい話は、バリの話を完結させて、東南アジアを10日間旅したときの話を書き終えたあとに、「ブラジル1か月の旅」を書くときに載せますので、気長にお待ちくださいませ。

 

 

話は変わりますが、

僕って、いつもブラジル好きをめっちゃアピールしてるじゃないですか、ブラジルの何が好きかっていうと、そのスケールのデカさですよ。

国土の広さ、食べ物のボリューム、サッカー国内リーグの規模、女性のお尻の大きさなど、すべてが日本とは比べもににならないくらい大きいですね。

 

 

そんな僕の大好きなブラジルですが、ブラジルといえばもちろんサッカーですよね。

サッカー王国ブラジルでは、2014年に1950年以来64年ぶり、二回目の自国開催となるワールドカップが開催されました。

 

ワールドカップあるところにユウマあり。(すいせせん。嘘つきました。この時が人生初の現地でのワールドカップでした)

その時、僕いたんですよ、ブラジルに。

 

僕がコーチを務めるサッカースクールのコーチ陣と、フットサル仲間であるアメリカ人カップル、ブラジル人Dとその家族たちと一緒に沖縄からブラジルに行き、みんなで約1か月間滞在しました。

 

その時の主な目的はふたつありました。

ひとつ目は、ワールドカップを見ること。

ふたつ目は、サッカースクール出身の高校生たち数名を練習生として、現地のプロチームのユースカテゴリーに送り込み、コーチ陣も練習を見学して勉強すること。

 

高校生たちはチームの寮に入ったのですが、僕たち大人は寮に一緒に泊めてもらうわけにはいきません。

ブラジル人Dが今回の旅のグループリーダーとなり、彼の知り合いが所有する別荘を借りて、11人でシェアすることになりました。(サッカーだから11人ではなく、たまたまですよ)

 

その別荘があるエリアは高級住宅街で、そのエリアに入るにはガードマンのいる門を通らなければなりませんでした。ブラジルでは金持ちは強盗に狙われるんでね。僕たちも期間限定で、待遇だけ金持ちの仲間入りです。

 

もちろん僕たちがステイする別荘も豪華で、一階建てではありましたが寝室が3、4部屋、家の敷地内にはプールまであってとても豪華でしたよ。

 

僕を含めたコーチ陣3人は、1つの寝室を割り当てられ、マットレスを敷いて部屋をシェアしていました。

大きな部屋にフカフカのベッドというホテルのような快適性はありませんでしたが、海外での一戸建てのシェアは始めてだったので、僕にとっては刺激的な共同生活でしたね。

 

海外旅行というのは、普段の生活と勝手が違い様々なトラブルも起こるし、普段はサッカースクールの練習やフットサルを一緒にするだけの仲間たちとの共同生活ということで、意見の食い違いなども起こります。

そういったことも含めて、ブラジルでの体験は僕にとって貴重なものとなりました。

 

 

その中で特に印象に残ってるいるのが、水に関する問題でした。

その地域では水不足に見舞われていたので、水道水の供給が日中だけで夜は水道がストップしていました。

 

この処置が一時的なものなのか日常的なものかはわかりませんが、この家の主は対策を練っていたみたいです。

その対策というのは、水が出る日中に水槽に水を貯めて、水道がストップする夜に貯めた水を使うというもの。

 

沖縄でも20年前まではよく断水になったりしていたので、一戸建ての屋上には断水に備えて貯水タンクが設置されていました。同じシステムですね。

ただ、システムは同じでも、特に何もする必要がない沖縄の貯水タンクとは違い、ここはブラジルなので、手動で水を貯めないといけません。

 

 

家の裏にある横綱白鳳がスッポリ入ってしまうくらいの大きなバケツに水を貯め、屋根裏にある、家の各水道につながっている横綱白鵬が2人入るくらいの大きな水槽に、電動ポンプで水を吸い上げて貯めていました。

おわかりだと思うんですが、この手動貯水タンクシステムの場合、屋根裏にある水槽の水位をチェックして、満タンになる前に電動ポンプと水道を止めなければなりません。

水槽が溢れてしまっては大変なことになりますからね。

 

 

グループリーダーDの指示で、日替わりで交代ずつ水槽の水位をチェックしていました。

僕の当番の日は、30分ごとにはしごを使って、家の裏にある人が一人やっと通れるほどの、白鳳は絶対に通れないであろう小さな入り口から屋根裏に入って水槽をチェックしました。

 

このときに僕は人生で初めて屋根裏に入ったので、好奇心から、ついでに周りをくまなく観察しましたね。

屋根裏の中心に水を貯める大きな水槽があり、ところどころに電気の配線が敷かれていました。そのひとつを辿っていくと、拳サイズの穴が空いていて、そこに電球が設置されていました。

ブラジルクオリティなので、電球の隙間が少し空いていて、その隙間からコーチ陣がシェアする部屋の様子が見えました。

 

創造力(妄想癖)のある僕は、すぐにスパイ映画などで天井から部屋を覗くシーンが思い浮かび、そのシーンから派生して、バスルームの天井からシャワーを浴びる女性を覗くシーンが思い浮かびましたね。

 

通報しようとしたそこのあなた。こら、妄想だけで行動には移してませんからね。妄想だけならいいでしょうが。

 

 

 

まあまあまあ、そんな大興奮の屋根裏だったのですが、

何事もなく(覗き事件もなく)僕の当番が終わった翌日は、オンラインカードゲームにはまっているアメリカ人Aの担当となりました。彼はプロ級らしく、暇なときはパソコンに釘付けでカードゲームに勤しんでいました。

 

しかし、ここではみな平等なのでAにも仕事は回ってきました。前日担当だった僕はAに仕事内容の説明を行いました。

やることは、30分おきに水槽の水位をチェックして、水槽がいっぱいになったら電動ポンプと水道を止めるという簡単なものなので、Aに説明するのにそう時間はかかりませんでした。

 

その日は特にグループでの予定もなかったので、それぞれが日中をゆったりと過ごして、いつの間にか夕方になり、僕たちはディナーを待っていました。

 

僕が部屋で仮眠から目を覚ましたときでした。

 

 

 

ザーーーーーーーーーーーーー!

 

 

 

起きたばかりで寝ぼけていましたが、僕は大きな水の音を聞いて一気に目が覚めました。どうやらその音は、部屋の外の廊下から聞こえてくるようなので、他のコーチ陣と一緒に恐る恐る部屋を出てみました。すると目の前には、この世の物とは思えない凄まじい光景が広がっていたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それはそれは、見事なイグアスの滝でしたよ。

 

 

 

天井の電球の周りから止めどなく、勢いよく流れ出る水。

全員が一瞬で悟りましたね。屋根裏の水槽に勢いよく3人目の白鳳がダイブしたかのように、水が溢れてしまったことを。

 

 

 

僕たちはすぐに電動ポンプと水道を止めて、水浸しになった床や水を止めても小便のように天井からチョロチョロと降ってくる水の後始末をしました。

 

もちろん、水槽の管理を怠り原因を作ったアメリカ人Aはこっぴどくブラジル人Dに叱られました。

そして、なぜかトバッチリを食らったのが僕でしたね。

 

ブラジル人Dはまるで、94年、98年のワールドカップでキャプテンとしてブラジル代表に貢献を果たし、激しく仲間を鼓舞することから闘将として恐れられていたドゥンガのようでしたね。

 

めっちゃ怒られましたからね。不当に。

しかも、この旅で幾度となく。

 

 

まあ、今となっては知人の別荘を借りて、こんな事件起こされたら怒りたくなるのも理解できるんですけね。

だけど・・・犯人オレじゃないからね。

 

 

それともうひとつ。今ならわかるんですよ。ブラジル人の彼があんなに僕に怒りまくった理由がね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

完全に、2014年のワールドカップ準決勝で、ブラジルがドイツに1対7で負けた八つ当たりですよ。

そして、いつも相手の言うことに対してほとんど口出ししない僕は、こういうとき、めっちゃ標的にされやすいんですよね。

 

 

 

天井からのイグアスの滝はどうにかせき止められたのですが、本物のイグアスの滝のような彼の怒りは止まることなく、そのほとんどが僕に降り注ぎましたね。

 

 

 

ということは、この期間、僕は滝行を行ってたことになりますね。

 

 

 

 

ただ、僕は修行僧じゃないので・・・

 

 

 

 

こんな風に、滅多打ちにされましたけどね。

 

 

 

 

 

この記事がおもしろかったら、いいねやシェアお願いします。