ヤバい経済学 スティーブン・レヴィット スティーブン・ダブナー
人間は嘘をついても、数字は嘘をつかない。
かつてニューヨークでは凶悪犯罪が絶えなかった。
しかし、90年代に入って70%以上も減少したそうだ。
法律が厳しくなった、警官を増やした、麻薬市場が崩壊した、などの要因はあったのだが、どれもこの減少率を説明するには十分ではなかったそうだ。
実は、アメリカでは1973年に人工中絶が合法化されており、90年代は70年代に産まれた子どもたちが一番犯罪を犯しやすい年齢になる年代だった。
つまり中絶を希望する親は、生活が厳しくて子どもに正当な教育を受けさせられなかったりするので、子どもが犯罪に走る可能性が高い。
そういった犯罪に走る可能性の高い子どもたちが産まれなかったことによって犯罪が減少した、というのが著者の見解だったのです。
ちなみに、キリスト教では受精の時点でひとつの命と解釈してるので、中絶は殺人という解釈になります。
中絶に厳しい国を調べてみると、その国がどの宗教なのか目安になったりもします。
他にも、データで明かされる教師の不正や相撲の八百長が紹介されています。
名前が人生の成功にどれだけ影響するのか、それとも、そもそも親が高学歴なのか(親が高学歴であるほどその子どもの年収が増える傾向にある)という問題にも触れてておもしろいっす。
このように、いろんなデータを組み合わせればこの世界の意外な側面に気づくことができる、と教えてくれる非常におもしろい本でした。
やはり、知りたいという『強い好奇心』が新しい世界への扉を開いてくれるようです。
いやー、いろんな視点を持って物事を見るとおもしろいっすねー。
続編『超ヤバい経済学』も読まなきゃ。
もっと世界を知りたい!
最後に、内向型で好奇心旺盛な僕のバリでの冒険記の紹介です。
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