【人が裏切る本当の原因】信頼はなぜ裏切られるのか デイビッド・デステノ
あなたも一度は信頼してた人に裏切られたり、「あの誠実な〇〇(芸能人)が不倫!?」みたいなニュースを見たことがありますよね。
実はこのどちらも「信頼できる人」や「誠実な人」と思い込んだ時点で間違っています。
一体どこが間違っているのでしょうか。そこが本書の重要なテーマなので先に定義しておきましょう。
信頼は一定ではなく流動的。
信頼は以下のようなその人が持っているもの、その時の状況などの要素に左右されます。
・誠実性
・能力
・短期的な利益
・長期的な利益
この要素だけではわかりにくいので、例を挙げてみますね。
例えば、あなたが誠実性の高い作家さんだとします。
編集社から本を出版する仕事を受けている場合、あなたが原稿を書き上げる可能性は高いです。つまり編集社はあなたを信頼しているから仕事を依頼するわけです。
しかし、自分の父の胃がんを摘出するとなったらどうでしょうか。
普段いくら父に信頼されていようとも、あなたが信頼に値する人間であろうとも、あなたは医者ではないのでこの場合は手術成功の見込みはありません。(あなたがブラックジャックみたいな闇の医者の場合を除く)
このように信頼は誠実性だけでなくその人の能力も関わってきます。
というわけで、信頼している人に何か頼む場合は、その人の能力の範疇にあるかも考慮に入れないといけないわけです。
他にも、妻子持ちのあなたが友人と立ち上げた会社が倒産しそうになって、会社を取るか家族を取るかという選択を迫られた場合、間違いなく家族をとりますよね。
友人は追い込まれた状態で会社のことしか見えなくて、あなたが裏切ったと感じるかもしれません。
この時に知っておいた方が良い人間の思考の癖があります。
それは、自分がミスを犯した場合と他人がミスした場合のあなたの考え方です。
例、車を運転していて、信号が黄色から赤に変わる微妙なタイミングで信号無視をした場合(警察が見てたら止められるレベル)
自分の場合
遅刻しそうだし、停止してたら追突されてたからしょうがない。
他人の場合
うわ、あいつ信号無視してるわー。常習犯なんだろうな。捕まればいいのに。
これが心理学で確認されている人間の思考の癖です。
これを知るだけでも、他人に対してかなり寛容になれると思います。
これらを踏まえた上で、本書では科学が明らかにする、以下のような信頼の実態をみていきます。
・幼少期の子供が何を基準に信頼する人を判断するのか
・嫉妬はなぜ生存戦略に役に立つのか
・社会的な地位が高かったり金銭的に裕福になると、人はルールを破りやすくなる(お金を見るだけでズルをしやすくなる)
・何かを生徒に指導する場合、生徒と教師があるものを持っていると理解力が高まる
・相手の振る舞いから信頼できるか判断できるのか
・アバターによるメタバースでの振る舞いがあなたの実生活にどうのように影響するか
これを知れば人間がどんな時に信頼できて、どんな時に裏切るのか予測しやすくなりますし、信頼によってどんな効果があるのかがわかります。
そうなってくると他人を信頼できるか判断するだけでなく、自分自身との約束も守れるかも予測しやすくなって対策がしやすくなるわけです。
信頼って細かく分析してみると、かなり複雑ないくつもの要素から成り立っているんです。
知りたくないですか?
てことで、自分とも他人ともより良い人間関係を築きたいと思っている方は本書を読むとかなりメリットを得られるでしょうし、もし裏切られてばっかりなら、そんな辛い出来事を減らすことにつながると思います。一読されてみてはいかがでしょうか。
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最後に、自分にも友人にも裏切られまくった僕のバリでの冒険記の紹介です。
『冒険で学ぶ人生のサバイバル術(上)(下)』、もしあなたが反面教師を探しているなら、ぜひチェックしてみてください。
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