【世の中嘘だらけ!?】うそつき うそと自己欺まんの心理学 チャールズ・V・フォード

【世の中嘘だらけ!?】うそつき うそと自己欺まんの心理学 チャールズ・V・フォード

 

 

嘘つきは泥棒の始まり」っていうことわざがありますよね。

これを真に受けると、人類全体が泥棒になってしまいます。

というのも、平均で男性は1日6回、女性は1日3回、男性は年間2190回、女性は1095回、あることをするというデータがあります。

 

これ、何の回数だと思いますか?

 

 

理想のセッ◯ス回数と思ったあなた、性欲モンスターですね。笑

 

答えは、嘘をつく回数です。

 

では、なぜ人は嘘をつくのでしょうか?

その嘘はどのような影響を及ぼすのでしょうか?

 

それを教えてくれるのが本書です。

 

この記事では以下の内容についてまとめています。

・日常的な嘘

・病的な嘘

・人は自分で自分を騙す

 

 

日常的な嘘

世間的には道徳的に「嘘をつくのは悪いこと」とされていて、子供にもそう教えますよね。

でも正直な発言ばかりしていては、人間関係がこじれることもあります。

 

「例」

・付き合いたいと思っている女性が作ってくれた手料理が不味い場合

・勤務先の上司のおもしろくない親父ギャグ

・タイプじゃない不細工な男に告白された場合

 

このような場合に相手を傷つけないように嘘をつく人が多数派だと思います。

 

 

それは生物学的観点や社会心理学的観点から見ると、パートナーを得るための嘘。相手との人間関係を良好に保つための嘘となりますよね。

このような観点から嘘についてみていくと、非常に興味深いです。

 

この分野に関しては、以前に紹介した「セックスはなぜ楽しいか」「進化心理学から考えるホモサピエンス」を先に読んでみてもおもしろいかもしれません。

 

このような嘘はまだまだ序の口です。次は病的に嘘をつく人を見てみましょう。

 

 

 

病的な嘘つき

世の中には一定数、病的といえるほどに嘘をつく人が存在します。

その原因は正常な脳機能の欠如だったり、子供の頃の家庭環境(子育て)、トラウマになるほどの精神的ダメージなどさまざまです。

では、彼らはどんな病的な嘘をつくのでしょうか。

 

それは僕たちの想像をはるかに超えるものです。

例えば、病院で入院して看病してもらうことによって「自分は愛されている」という安心感を得るために、病気のふりをする人がいます。

ほかにも、自己愛性人格障害(ナルシスト)の人は、周りから評価されたい(愛されたい)がために自分の経歴や能力を誇張して周りに話します。

まあこの場合、インスタグラムなどのSNSが助長しているようにも思われますね。

 

 

ところで本書でおもしろかったのが、映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」の原作「世界をだました男 Catch Me If You Can 」で実在する人物フランク・アバグネイルが一例として出て部分です。

彼の場合、嘘によって相手を支配する、金銭的利益を得るなどの喜びなども嘘をつく要因となっていました。

世間から尊敬の眼差しで見られる航空パイロットや弁護士、大学教授など、あらゆる人物になりすましたアバグネイルの信じらないけど本当にあったストーリーは、小説、映画共にかなりおすすめの作品です。

要チェックですよ。

 

 

 

他にも、実際にあった臨床例をまとめて考察した「診断名サイコパス」「他人を支配したがる人たち」「平気でうそをつく人たち」を読んでおくと、あなたに被害を及ぼす可能性のある人たちに対して防衛策が取れるはずです。

 

 

 

 

ここまでは自分以外の人の嘘でしたが、次は自分による自分に対する嘘です。

 

 

 

人は自分で自分を騙す

他人に騙されるのは避けたいと思っているあなた、あなたに一番嘘をつく人はあなたのすぐそばにいます。

というよりも、犯人はあなた自身です。

 

人間がどれだけ不合理であるか教えてくれる「行動経済学」が、私たちがいかにして自分自身に騙されつづけているかを示しています。

 

「例」

・ダイエット中なのに、「また明日からがんばればいいや」とジャンクフードやお菓子を食べる

・DV彼氏で別れた方がいいのは周りから見て明白なのに、「私を愛しているからお仕置きしてくれる」「彼は私がいなきゃだめなの」と考える

 

 

 

上記のように私たちは「正当化」や「認知的不協和」と呼ばれる方法などで日常的に自分に騙されるのです。

 

他にも、根拠のない自信を持っていたりしますよね。

これらも含めて自分を騙すのは、自分のメンタルを良好に保つために人間が身につけていった脳の働きということがわかっています。

 

前述のDV彼氏の件は除外しますが、このことから健全なメンタルを持っている人ほど楽観的で、うつ病の人ほど現実的であることもわかっているんですよね。

 

人間の脳の働きっておもしろいですよね。

 

人間がどれくらい自分自身に騙されているのか知るには「ファスト&スロー」や「知ってるつもり 無知の科学」などを読んでみることをおすすめします。

そして、世の中では「自信を持つべき」と思われていますが、自信をもつことによるメリット・デメリットをまとめた記事【みんな知らない「自信」についての驚愕の真実 「自信がない人は一流になれる」の原著を読んでみた】を読んでみると、うまい自信の使い方がわかると思います。

 

 

まとめ

本書を読むと「真実を語るべき」「嘘をついてはいけない」という信念が木っ端微塵に吹き飛ばされることでしょうね。

嘘をつくことも含めて人間だもの。みつを」的なことが言えそうです。子供を持つ親、固定観念に縛られている人には超絶おすすめの本です。

ぜひ一読されたし。

 

本記事では紹介しきれませんでしたが、人間はその時の感情や誘導尋問などちょっとしたことで記憶すらも改変されるというところが見どころでもあります。

目撃者の誤った証言で冤罪に巻き込まれ死刑になったなんて話も、結構な割合で起こってるそうな。

それを思うとやはり、自分が巻き込まれないためにも、大切な人を守るためにも、嘘に関する知識を身につけておくべきではないでしょうかね。

 

 

 

 

最後に、嘘かと思ってしまうほどのヤバい体験ばかりしたバリの冒険から学んだ日常でも役立つサバイバル術をまとめた本を紹介します。

 

『冒険で学ぶ人生のサバイバル術(上)(下)』Kindle Unlimitedで無料となっています。

Kindle Unlimitedに入ってなくても、冒頭部分は無料で読めます。