クレイジーハロウィン第6話 ベジータ戦闘開始 in イテウォン

クレイジーハロウィン第6話 ベジータ戦闘開始  in イテウォン

 

 

オレたちは、ハロウィンに参加する前に夕食をとることにした。エイミーとの約束通り、エイミーの部屋に泊めてくれる代わりに夕食代はオレが払うことになった。

さっそくエイミーのお気に入りの居酒屋で少し飲みながら夕食を済ませた。

 

 

 

居酒屋から出ると、外はすっかり暗くなって肌寒い。韓国の秋は沖縄の真冬並みの寒さで、気温は10度強ほど。オレにとっては厳しい寒さだ。

とりあえず、エイミーの部屋に戻ろうとしているところへ、どうやらエイミーにメッセージが入ったようだ。その友達が彼女の部屋に来てハロウィンのメイクをして、みんなでハロウィンで盛り上がるイテウォンに行くことに決まった。

 

 

 

オレたちふたりが部屋に着いて、しばらくしてから例の友達のふたりが尋ねてきた。ふたりは兄弟で、兄のジンは社交的で活発な印象で、弟のハンは物静かで少し大人しい印象だ。さっそく、ハロウィンに出かける準備を始めた。オレは、ベジータの戦闘服に着替えて、しっかりとスカウターもセットした。

 

 

 

ジンとハンとエイミーの3人は、お互いの顔に特殊メイクを施している。すぐに着替え終わったオレはその間に、ジンとハンが持ってきてくれたビールを頂いて、3人が準備ができるまで待っていた。しばらくしてから全員戦闘の準備は整った。ベジータの薄手のコスチュームだけでは寒さに耐えられそうもないので、荷物が多くなると気が引けたが、パーカーも念のために持っていくことにした。

 

 

オレたちはタクシーに飛び乗って、ハロウィンで盛り上がっているイテウォンへ向かった。

すでにオレのテンションはMAXなので、タクシーの窓を開けて顔を出してとなりの車のドライバーの戦闘力を測った。そして、ドライバーと目線が合うと、お前の戦闘力たったの5、とジェスチャーで伝えた。すると、助手席の彼女と一緒に大爆笑した。

 

 

 

そのあとも、イテウォンに到着するまで路線バスや一般ドライバーにアピールして、ドライバーたちのさまざまな反応をオレたち4人で楽しんだ。中には、生真面目で無表情に徹する人もいたのだが、それもそれでおもしろかった。

タクシーの窓から人々を笑かすことにも飽きて、大人しく席に座っているうちに、ほどなくしてイテウォンに着いた。

 

 

 

着いたのは夜の9時前。イテウォンではすでに、アニメやゾンビなどの各自のお気に入りのコスチュームに身を包んだ人たちで溢れかえっていた。道ですれ違う人たちの視線を感じる。間違いなくオレ(ベジータ)を見ているようだ。ちょっとした有名人になった気分だ。

 

 

 

オレたちが中心地へ向かって歩いていると、ちょっとした人だかりができているのが見えた。すぐそばまで行くと、そこにはキャプテンアメリカをした男性がいて、彼と一緒に写真を取るためにちょっとした列ができているのだった。ツーショットを撮るためにオレも列に入った。

 

どちらのコスチュームがキマっているか、壮絶なバトルが繰り広げられる

 

休戦協定を結んで、友好の証の記念写真を撮る

 

ベジータがキャプテンアメリカと写真を撮るときはオレたちだけでなく、列に並んでいた人たちや近くを歩いている人たちまでもが、興味を持ってスマホで写真を撮った。夢のコラボに満足して、キャプテンアメリカと握手して先へ進んだ。

 

 

イテウォンの中心街へ入ると、オレは自分の目を疑った。通りは、コスチュームに身を包んだ人たちで埋め尽くされている。所狭しと人々が通りを進んでいく。オレたちもはぐれないように、お互いに注意しながら人混みの中へ飛び込んだ。

 

 

 

歓楽街に入ると、通りにいくつもクラブやバーが並んでいて、入り口にはセクシーナースゾンビやお色気アニメキャラなども混じって列ができている。正直にいうと、それ以外は目に入らなかったのだが。きっと大抵の男なら同じようなことになっていただろう。

満場一致でクラブに行くのはまだ早すぎるということで、まずはバーで少しお酒を飲むことにした。

 

 

 

バーを探していると、あるバーの入り口でセクシーキャットウーマンとバットマンが呼び込みをしている。オレはハンにお願いをして写真を撮ってもらった。セクシーキャットウーマンがオレにくっついてくれて、天にも昇る心地だった。

 

 

気分を良くしているオレに、そのバーから離れたあとに水を指してきて、一気に天から地獄へ突き落とされたのだった。

ハンいわく、さきほどのバーはゲイバーで、一緒に写真を撮ったキャットウーマンは男だというのだ。ベジータの夢ははかなく散っていったのだった。

 

 

気持ちを切り替えて、みんなでバーに入っていった。