ドライビングスキルを向上させたい シフトチェンジ編
ドライビングスキルシリーズもいよいよ最後となりました。今回はシフトチェンジ編です。
あなたの愛車がMT車だったら避けては通れない道、それがシフトチェンジです。
シフトチェンジの際に重要となってくるのがクラッチ操作です。つまり、クラッチ操作を極めれば、同乗者にあなたの車がMT車であることが悟られないくらいのなめらか運転が可能となります。
助手席ヘッドの揺れを極力減らしてMT車だと気づかれないことを最終目標にしてがんばっていきましょう。
ブレーキ編、アクセル編もチェック
クラッチの仕組み
まず、MT車を運転する上で最低限知っておかないといけないのは、クラッチの仕組みです。
クラッチペダルを踏むとエンジンの力ががタイヤに伝わっていない状態になります。そのあとギアを入れてクラッチペダルを離すと再びエンジンの力がタイヤに伝わります。
つまり、加速時にクラッチペダルを踏むと、助手席ヘッドを後ろに引っ張っていた力が消えて、クラッチペダルを離すと再び助手席ヘッドが後ろに引っ張られます。
このクラッチペダルを踏んだ後にパッと離すと、
100(加速)ー0(クラッチ踏む)ー100(クラッチ離す)
という大きな力の変化が起こることによって助手席の人の頭が大きく揺さぶられるのです。
この力の変動をなるべく小さくすることが、なめらか運転のコツです。
半クラッチ
なめらか運転をするには、半クラッチが不可欠となってきます。半クラッチとは文字通り、クラッチがエンジンと半分だけ繋がっている状態です。クラッチペダルをゆっくりと離していくと、ある時点で車がゆっくり走り始めますよね。それをクラッチのミートポイントと呼び、その状態でクラッチペダルをキープすることを半クラッチと呼びます。
半クラッチをすることによって、
100(加速)ー0(クラッチ踏む)ー50、60、70、80、90(半クラッチ)ー100(完全にクラッチ離す)
という小さな力の変化となり、助手席の人の揺れが小さくなります。
この半クラッチが上手くできるかが、同乗者にMT車だと気づかせない運転ができるかの分かれ道となります。
練習法
周りに車がない状態(広場などが望ましい)でクラッチだけで発進できるように練習します。
そうすることによって、クラッチのミートポイントを覚えていきます。ミートポイントがつかめたら、次はミートポイントまではクラッチペダルをパッと離し、そこからはエンストしないようにゆっくりとペダルを離していきます。
ゆるやかな上り坂で半クラッチだけで車が流れないようにするなどの練習法もあります。
何回もやることによって、クラッチのミートポイントを覚えて半クラッチを身に着けていきましょう。
MT車のなめらか発進
MT車でなめらかに発進するには、アクセル編で学んだアクセルワークに加えて半クラッチを組み合わせて発進しなければなりません。
半クラッチしたら徐々にアクセルをじんわりと踏んでいきます。クラッチペダルを踏む左足に負荷を感じなくなったら、ゆっくりとクラッチペダルを離していきます。ここでもパッとペダルを離してはいけません。
変速ショックを抑えたシフトチェンジ
加減速時のシフトも同様に半クラッチを使います。
シフトアップの場合は、クラッチを踏む直前に少しアクセルを緩めます。
100(加速)ー90、80(アクセル緩める)ー0(クラッチ踏む)ー50、60、70、80、90(半クラッチ)ー100(クラッチ離す)
という風にさらに力の変化を小さくすることができます。
1速、2速、3速くらいまでは変速ショックが大きくなるので、特に注意しましょう。
シフトダウンの場合は、ヒール・アンド・トゥというレースでも使われるテクニックがあるのですが、ここでは割愛します。以下のスピードを目安にしてしっかり半クラッチをすると、大きな変速ショックを防げます。
シフトアップのときよりは遅いスピードでやるのがコツです。
1速⇨(発進用、半クラッチを極めれば2速でも発進可能)
2速⇨0~10km/h
3速⇨20~40km/h
4速⇨50~60km/h
5速⇨70~90km/h
まとめ
いかがでしたか。シフトチェンジを上手くやれば変速ショックを抑えられ、同乗者にMT車だと悟られなくなります。
助手席の人の頭が揺れないなめらか運転を実現するには、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、ハンドル操作も含め、すべての操作に共通して言えるのが、「ゆるやかな操作をして、車にかかる力の変化を極力小さくすること」です。
丁寧なドライビングは安全にも繋がるので、ぜひ練習してみてください。ただの移動でしか無い時間が、ゲーム感覚でもっと楽しくなると思いますよ。
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