サピエンス全史(下) ユヴァル・ノア・ハラリ

サピエンス全史(上)のような衝撃は、(下)にもしっかりと用意されていました。
科学革命以前は、知らないことは神や賢者が解決できると信じられていました。
しかし、自分が無知であることを認めることで、人類は500年のうちに飛躍的な進化を遂げたのです。
「富は限られている」から「富は拡大し続ける」という意識に変わったことも助長して、国や資産家たちは利益(さらなる領地や資産)を求めてこぞって資金提供し始めました。
科学の発展には、帝国主義、資本主義が深く関わっていました。
科学革命によってこの500年で僕たちは、それ以前の人類が決して想像することができないところまで来てしまいました。
人間が非死(医学がすべての病気を治療できても、事故死などのリスクは残るため不死ではない)になる日は近いと言われています。
現在では、遺伝子操作によってマウスの欲求をコントロールすることもできるので、人間の欲求さえもコントロールできるようになるかもしれません。
しかし、僕たちの、幸福ホルモンが分泌された時に幸福を感じるという生物的な構造は、今も昔もほとんど変わっていません。
ここまで進化してきた人類だが、農業革命、科学革命が起こるにつれて、昔と比べてはるかにたくさんの問題を抱えるようになりました。
幸福を感じる仕組みは今も昔も変わらないので、幸福度は同じかもしれません。いや、もしかしたら、たくさんの問題によって下がっているかもしれません。
狩猟採取の時代よりもはるかに労働時間は増えた僕たちは、何のために生きているのでしょうか。
さらに、2、3年にも満たない短い一生を身動きが取れない檻に閉じ込められる家畜化された動物たちの無残な一生を考えると、人類の幸福の追求だけでいいのでしょうか。
人間目線での世界の見つめ方でも十分ではありません。
数々の動植物やネアンデルタール人などの他の人類も滅ぼして生き残ってきた僕たちサピエンス。
動植物目線から見た今の世界は、最悪な状況です。
果たして、僕たちは自分だけの幸福を追求するだけでいいのでしょうか。
僕たちひとりひとりが、死ぬまで疑問を持ち続けて答えを探さなければならないのです。
日々の生活に追われているだけでは決して得ることができない視点、違った視点をこの本は与えてくれます。
僕たちはどう生きるか。
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