あなたを失ってしまった。

あなたを失ってしまった。

私は、あなたを失って、初めて気づかされました。こんなにもあなたの存在が大きいということを。

 

 

 

振り返ると、四六時中、いつもあなたに頼りきっていました。

私は、あなたがいないと、ほぼ何もできません。

朝も起きれないし、夜も安心して眠れない。

友達と会うこともできない。不安でトイレにすら行けない自信がある。

 

 

 

あなたを失ったことに気づいたときは、あちこち、何度も何度も探し回りました。それでもなかなか見つからない。

あなたがひとりでいなくなることはないはずなのに。正直、オレたちはもうダメなのかなとも思いました。

 

 

 

ようやくあなたを見つけたときは、感動で泣きそうになりました。男の涙はカッコ悪いので、あなたに見せるわけにはいかず、必死にこらえました。

結果、鼻水を垂らして汚らしい見苦しい顔をあなたに見せてしまいましたね。

 

 

どれだけ私があなたに依存していたか気づかされたのです。

 

 

 

あなたを見つけた時、あなたの体が無事か調べると、かすかに傷がついてるだけでした。

あなたと出会った頃に、私がプレゼントした専用ボディガードと綺麗なガラスの靴。やっぱり私のプレゼントの選択は間違ってなかった。

繊細なあなたをしっかりと守ってくれた。

 

 

 

私があなたに依存しすぎているのはわかっている。

でも、でも、僕は君がいないとダメなんだ。

もう絶対に、絶対に君を離さないよ。もう二度と。

 

 

 

 

 

 

 

僕の愛しの『iPhone』!

 

 

 

 

 

 

 

サッカーの練習が終わって、車の横でサッカー道具の整理をしていた時に、無意識にiPhoneを丁度いい高さにある車の屋根に置きました。

そして、iPhoneを取り忘れて、屋根の上に放置したまま車を発進。

 

 

 

 

走行中、車の横で何かが屋根から落ちたような物音がしたけど、スルーしました。

一回目の「iPhoneに気づくチャンス」を見事にスルーしました。

 

 

 

一緒に練習に来た友人を家に送り届けた後、人気者の私には、練習の間にたくさんのメッセージが来ているだろう、とiPhoneをチェックをしようとすると

 

 

 

あれ、無い……

むむっ、むむむっ……

マジで?

 

 

 

 

 

 

 

えぇ――――っ!!

   ミ~ ̄ ̄ ̄\

   / ____亅

   / > ⌒ ⌒|

  |/ (・) (・)|

  (6――○-○-

  |   つ |

  |  ___)/

   \ (_/ /

   /\__/

  /  ><

  / /  V||

 /_/   ||

u\__Lu

  |  / /

  | / /

  | / /

  (ニフフ

 

 

私の思考は巡り巡って、iPhoneを屋根の上に置いたことを思い出しました。

呆然としましたよ。

 

 

 

まずは冷静になって、私のiPhoneの周りに誰かいて気づいてくれないかと、100年ぶりのように感じる公衆電話から電話をかけてみた。

応答を待つ。誰も出ず。

 

 

 

呼び出し音が鳴ったので、iPhoneがまだ生きてることは確認できた。

起動よし、iPhoneの呼吸確認よし。

 

 

 

 

そして、通ってきた道を急いで引き返して、注意深く探し続けるが見つからず。

 

 

 

そこで思いついた。そうだ!

MacBookから、『iPhoneを探す』で探そう。我ながら、頭が良いとしか言いようがない。

注目。ここ大事です。テストに出ますよ。

『わからない人は、覚えててください』

iPhoneの中に、『iPhoneを探す』というアプリがありますので、iPhoneをなくす前にしっかりと設定しておいてください。

なくしたり、盗まれても諦めないで、パソコンからアップルのホームページでAppleIDを入力すると、自分のiPhoneがある場所を特定できます。

そして、その場所に行き、その辺を場所をくまなく捜索するだけです。

 

 

 

 

あなたのiPhoneが泥棒の手に渡っていて、泥棒と遭遇したあなたがボコボコにされようと、私は知ったこっちゃありません。

己の運命を受け入れろ。

 

 

 

 

 

iPhoneを探す』で表示された場所で捜索して数十分後、ようやく私のiPhoneが、車道の縁石の近くに落ちているのを発見。

ラッキー!

端っこに落ちてたから、車に轢かれなくて済んだんだね。

私はなんという幸運の持ち主なのだ。

 

 

 

iPhoneは、画面に貼っていた保護フィルムが傷ついているだけで、他は奇跡的に無傷。

時速40キロ以上で走る、高さ1メートル以上ある車の屋根から勢いダイブしたはずなのに、なんてタフなんだ!

オメェ、強ぇな、と悟空が褒めてくれそうなタフさには脱帽だ。

 

 

 

私のiPhoneケースと保護フィルムの選定が功を奏しましたよ。

さすが私だ。見る目が違う。

 

 

 

 

iPhoneのオリジナルのデザインが好きとかほざいて、オシャレ気取りでケースもつけない、液晶フィルムも貼らないアホンダラがいるようだが、そいつのiPhoneの液晶をバリバリにして言ってやりたい。

 

 

 

 

 

物は大切にしなさい。

 

 

 

 

 

 

この事件で、私がハプニングにいかに冷静に対処するかが、おわかりいただけただろう。

iPhoneを置き忘れるという自分の愚かさは棚に上げておいてだと、いや、棚ではない、屋根だ。

諸君もハプニングには冷静に対処したまえ。