選択の科学 シーナ・アイエンガー

選択の科学 シーナ・アイエンガー

 

 

僕たちは生活の中で何を着るのか、何を食べるのか、今何をするのかなど、常に選択をしています。

しかし、その選択が実は自分の意思決定ではなく、周りの人やその時の状況など環境に左右されてるとしたらどう思いますか。

 

時には辛くて難しい選択に迫られることもあります。その場合、僕たちのメンタルにはどんな変化が起こるのでしょうか。

 

本書は、そんな選択についてさまざな視点から切り込んでいきます。

 

この記事では、本書から僕が気になった以下の三点を取り上げていきます。

・国別の選択に対する認識

・選択肢は多すぎてもダメ

・他人に選択してもらう方が良い時もある

 

 

 

 

国別の選択に対する認識

選択に対する考え方は、実は、その国の文化によって大きく違います。

ざっくり分けると以下の通りになります。

 

アジア→両親が子供の人生を決める割合が強く、自主性よりも強調性が重んじられる。

宗教のしきたりによっては、着るもの、食べるもの、結婚相手まで自分では決められない国もある。わお!!

 

欧米→アメリカにみられるように、自分のことは自分で決めるという自主性を幼い頃から求められる。

自分次第でいくらでもチャンスは生み出せる・つかめる、というアメリカンドリーム的な認識。

 

アジア人は自分の人生は環境に左右される、欧米人は自分の人生は自分次第と考える傾向にある。

 

余談ですが、僕の友達(韓国人、中国人、台湾人など)は日本のように、良い大学行って良い会社に就職しなさい、早く結婚しなさいなどと両親に迫られると言ってました。

 

 

選択肢は多すぎてもダメ

選択肢は実は多すぎてもダメ、ということを示した研究があります。

この本の著者の実験で、いろんな本で引用されている有名な実験「ジャムの法則」というものがあります。

 

実験ではスーパーのジャム売り場で試食コーナーを設け、24種類のジャムを用意した場合と6種類のジャムを用意した場合のどちらが購入につながったかを調べました。

その結果、24種類のジャムでは試食した人のうちの3%が購入したのに対し、6種類では約30%の人がジャムを購入しました。

その差は約10倍です。このことから、選択肢は多すぎても脳に負担をかけるので必ずしもいいとは限らないとされています。

 

人がストレスなく選択できるのは「7±2(5〜9)」だそうです。

 

ちなみに、車を30種類以上のボディカラーから選んだ場合と、10種類未満のボディカラーを選んで購入した場合では、後者の方が購入後の満足度も高かったそうです。

 

 

他人に選択してもらう方が良い時もある

辛い選択は他人にしてもらう方が、のちの心理的ダメージがすくないこともあります。

 

戦時中、あるユダヤ人の母と子供2人が看守によってアウシュビッツ収容所に行くか選別される際、母は「私はユダヤ人ではありません。ですから私たちを助けてください」と言いました。

そこで看守は悪意を持って「そうか、それならお前と子供のうち、一人を助けてやろう」と言いました。

 

その後、子供一人とともに生き残った母は戦後辛い選択をしたことに耐えられず自殺してしまいました。

 

 

他にも、早産で生まれた子供が危篤状態で延命処置をしても助かりはするが植物状態になる状態で、延命措置を続けるか続けないかの決断(植物状態で生かし続けるか、そのまま死なせて楽にさせてやるか)を医師が行った場合と、両親が行った場合では、後者の方が両親はその後何年にも渡って精神的ダメージを受け続けた。

うーん、どちらの例もなんと残酷なことでしょうね。

 

 

 

まとめ

本書にはまだまだ選択について驚きの事実が記されています。

イケメン・美女の方が選挙での得票率も高いし、裁判で有利な判定(刑が短い、仮釈放されやすいなど)を得やすいし、年収も高い傾向にあります。

これらからもわかる通り、僕たちはただ合理的に選択をしているわけではありません。

周りの人や状況など、かなり環境に影響を受けてるし、バイアス(思い込み)という脳の働きによって選択していることがほとんどなのです。

 

本書を読むことによって選択について深く知り、より良い選択ができるようになる可能性が高まるに違いありません。

 

 

 

 

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