第25話 ミッション、マルセロのカメラのバッテリーを2個購入せよ。

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翌朝、起床後にゆうやと共にさっそく行動開始だ。

ミッション、マルセロのカメラのバッテリーを2個購入せよ。

 

 

 

 

まずは近くのセブンイレブン(沖縄にはないけども)でサンドイッチとコーヒーを購入して朝食を済ませる。それから歩いて20分ほどの近くのショッピングモールに向かった。

ショッピングモールに着くと、まずは店内のマップを確認だ。マップによると、ここにはカメラ屋さんが3つあるようだ。3店舗もあれば必ず見つかる。オレとゆうやは早くもミッションが完了するだろうと楽観視した。

 

 

 

 

ところが、店員さんに品番を伝えて在庫を調べてもらったものの、1世代前のモデルということで在庫なし。他の2店舗も同様だった。どの店舗でも注文は可能だが、取り寄せまでには3日かかるようだ。明日帰るというのに3日も待てない。必ず今日中に見つけなければと少し焦ってきたが、次のショッピングモールをグーグルマップで見つけて、バッテリーが見つかることを願って次へと進んだ。

 

 

 

次のモールは歩いて30分かかった。

「もし、この場にビアンカがいたら音を上げて大変だったろうね」

「間違いない。笑」

オレとゆうやは移動距離に驚きながら、ビアンカがいないことがせめてもの救いだと共感するのだった。

ちなみに、貧乏旅行をしているオレたちに、タクシーという贅沢な移動手段の選択肢はない。この先も続くバリ島の生活に備えてできるだけ節約しておかなくてはならない。

 

 

 

結局、次のモールにカメラ屋さんはあったのだが、目当てのバッテリーがない。そのあと、さらに2件のモールを探しに行くも見つからず、気がつけばすでにお昼を過ぎていた。

ふたりともお腹が空いてきたので、まずは宿に戻って昼食をとってから午後に出直すことにした。

 

 

 

宿に戻りながらさっさと昼食を済ませてエネルギー補給すると、部屋に戻ってパソコンで情報収集を始めた。宿の周りのエリアを調べると、先程行ったのとは反対の方角にカメラ屋さんを発見した。さっそくそこへ向けて出発だ。

がここで、歩き疲れたゆうやがリタイヤを表明した。

オレも、昨日の夜の散歩で足の疲れはピークに達していたが、オレがバリ島に行くきっかけを作ってくれたマルセロ先輩に報いるため、体に鞭打って重い腰を上げて次なる場所へと向かった。

 

 

 

次の場所へ向かう途中、大通りにひたすら出店が並んでいる場所に差し掛かった。いろいろな出店を覗きながらそこを通り抜けて行く。食べものから洋服、怪しげなガジェットなどさまざまな物が格安で売られている。もう少しゆっくり覗いていきたい場所ではあるが、今はミッションに集中しないといけないのでひたすら歩き続けた。

 

 

 

大通りを抜けると古い建物が立ち並ぶ場所に出てきた。その中に一軒だけぽつんと立つカメラ屋さんを発見して、希望を持ちながらお店へと入った。お店の中のショーウインドウを見て唖然となった。

全てのカメラが中古のフィルム式のクラシックカメラばかりだ。念の為、わずかな可能性にかけて店員のおばちゃんにバッテリーが無いか確認してみるが、やはりお店には無いようだ。

 

 

 

ここまで長時間歩いてオレの体力はすでに限界に達していた。ひとまず休憩するためにスターバックスへ立ち寄ってコーヒータイム。インターネットをつないでゆうやにカメラがまだ見つからないことと、これから宿へ戻ることを報告した。

コーヒーを飲んで一息つくと、オレは宿へ向けて歩き出した。

 

 

 

30分かけてやっと宿に辿り着くと、疲労困憊でベッドへダイビング。どうにもならないときは、一度問題を忘れてみることも大切だ。とりあえず、このままでは動けないので少し仮眠を取ることにした。

 

 

 

現在時刻、午後5時前。果たしてミッションをクリアすることができるのか!?