【なぜその行動は繰り返されるのか】うまくやるための強化の原理 カレン・プライア
僕たちは普段、その人がある行動をするのはその人自身の性格によるものと思いがちですが、本書を読めば人間の行動の原理を知り、なぜ人間がある行動を繰り返すようになるのか、もしくはある行動をやめるようになるのかを理解できるようになります。
例えば、幼い子供がスーパーで泣きながら駄々をこねているとしましょう。
その時に母親がどう対応するかでその子が今後、駄々をこねるという行動を繰り返すようになるのか、やめるのかが決まります。
この記事では、依存症とは、アメとムチ、自分を変える方法、について取り上げていきます。
依存症とは
行動の直後に何かが起こって、その行動が繰り返されるようになることを強化と言います。
つまり依存症とは、身体的に悪影響を与える行動が強化された状態なのです。
僕たちも依存症とはいかないまでも、衝動買いや夜更かし、無駄な間食をする癖など、直したい悪い癖があるのでないでしょうか。
アメとムチ
行動のあとには2つのことがらが起こります。
ひとつめが食べ物やスキンシップ(頭をなでるなど)、ほめるなど誰もがして欲しいことやもので、これを好子(こうし)と言います。
ふたつめが体罰、嫌な顔をされる、不快な音など誰もが嫌がるようなことで、これを嫌子(けんし)と言います。
つまり、アメとムチのことですね。
ある行動の直後にどちらが提示されるかでその行動が強化されるのかが決まります。
例
愛犬の名前を呼んで自分の元にやってきたので、頭をなでてやった。
好子を与えたので次からも愛犬を呼んだらあなたの元にやってくるでしょう。
なかなか電話をしてくれない彼氏が久しぶりにあなたに電話をくれた。
しかし、あなたは「なぜもっと頻繁に電話してくれないのよ」と文句を言うなら、彼はもう自分からは電話をしてくれなくなるでしょう。
ということは、冒頭での駄々をこめる子供に対して、もし母親がおとなしくしてもらうためにお菓子をあげたりすると『駄々をこねる=お菓子をもらえる』が成立してしまい、その子はますますスーパーで駄々をこねるようになるでしょう。
かといって、好ましくない行動をする子供にその行動をやめさせようと罰(叱るなど)を与えてもその行動が繰り返されることがありますよね。
それは、罰を与える方法がある行動をやめさせるには効果が薄いからです。
本書には、罰を与えるよりも効果が高い「ある行動をやめさせる方法」が記されています。
自分を変える方法
強化の原理を知れば他人や動物だけじゃなく、自分自身を変えることもたやすくなるそうな。
例えば、あなたが毎朝大好きなコーヒーを飲む習慣があって、ウォーキングなどの健康習慣を身につけたいとしましょう。
その場合、コーヒーを好子として使えば、ウォーキングを習慣にできる可能性は高まります。
つまり、コーヒーをご褒美にするためにコーヒーを飲む前にウォーキングをしたらいいのです。
僕が思うには、これにプラスしてゲーム要素(ゲーミフィケーション)をもたせ、瞑想で自制心を鍛えると習慣化しやすくなると思います。
ゲーム感覚で自分を成長させるゲーミフィケーションについて↓
あのグーグルも取り入れている瞑想について↓
まとめ
強化の原理について理解を深めて実践していけば、どんな動物でもしつけられ、あなたの周りの大人や子供に好ましい行動をしてもらえるようになるそうです。
他人を操ると考えると悪いイメージですが、あなたの周りの人たちがあなたと好意的に関わるようになり、あなたの子供が悪い癖がなくなるとなったらどう思いますか?
ヒトラーが大衆を扇動してユダヤ人大量虐殺を行った。キング牧師が周りの人を引きつけて黒人差別撤廃運動を広めていった。
両者とも多くの人に影響を与えていますが、要は、どんな知識やスキルも使う人次第なんです。
それに、解決方法はひとつだけじゃなく、たくさん持っておくに越したことはありません。
それを踏まえて、本書を読んで人間関係を改善する力を持つ「強化の原理」を学ぶかどうかは、あなた次第です。
※本書には褒めて伸ばす方法が記されていますが、褒め方でその子供が今後成長していくか保守的になるかが決まってきます。この記事を一読されたし。
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