【凡人こそ可能性だらけ!】非才 マシュー・サイド

【凡人こそ可能性だらけ!】非才 マシュー・サイド

 

 

あの人は才能があるからできるんだよ」という僕たちが抱きがちな考えに対し、「ちょっと待った」とツッコミを入れて反論してくのが本書でございます。

先に結論を申しますと、「才能なんてない、努力次第だ」というのが本書の主張です。

 

今回は本書の中から、僕が面白いと思った以下の三点を紹介します。

・「天才は作れる」を証明した、娘3人をチェスの世界女王にしたパパ

・トップレベルとそれ以外の人を隔てる【ある要素】

・才能か、それとも環境か

 

 

 

「天才は作れる」を証明した、娘3人をチェスの世界女王にしたパパ

教育心理学者だったラズロ・ポルガーは、神童と呼ばれる天才児たちを研究して、こう信じるようになった。

「子供たちをきわめて早い段階から1つか2つの知的活動に没頭させれば、あらゆることが可能になる

そして、それを証明するために自分の娘3人に幼い頃からチェスの英才教育を施し、娘を3人とも世界女王にしてしまった。

 

ちなみに、妻へのプロポーズの言葉は、「天才は作れると証明したいから協力者が欲しい」だったとのこと。

娘が3人世界チャンピオンになったあと、「娘たちは才能があったからチャンピオンになったかもしれない。次は養子をとって証明してみないか」と誘いがあったが、妻の猛反対あったそうな。笑

 

 

 

トップレベルとそれ以外の人たちを隔てる【ある要素】

スポーツでも芸術界でもトップレベルの人は幼くして練習を始めている。

 

タイガー・ウッズは生後9ヶ月でゴルフを始めている。

・モーツァルトは3歳でチェンバロを弾き始め、5歳で作曲している。

 

つまり、幼少期に天才と言われるような子供たちは、その頃にはすでに何千時間もの練習を積み上げている

ゆえに、同年代のそこまで練習していない子たちと比較してずば抜けているのは当然ということになる。

比較対象は、同程度の時間を費やした上の学年の子供たちにするべき。

 

 

しかし、ただたくさん練習するばいいのではなく、レベルアップしていくには意図的な練習が必要になってくる。

たとえば、できることを何度繰り返してもレベルアップにはつながらない。

「今できることよりも少し難しいことを練習する」ということが重要になってくる。

 

そのいい例が元メジャーリーガーのイチローではないだろうか。「毎年バッティングフォームに改良を重ねている」と主張していた。

 

 

運転免許取り立ての時は注意して運転するけど、年数を重ねるにつれて十分な車間距離をとらなくなったり、「止まれ」でしっかり一時停止しなくなるのは、運転にそこまで気を使わなくなっているため。

 

 

ちなみに、僕が運転時に常に実践しているのが「助手席の人の頭を揺らさない運転

これで安全性と燃費の改善にもつながる

 

 

 

才能か、それとも環境か

オリンピックの陸上競技の短距離と長距離のチャンピオンは黒人選手がほとんど。

彼らの身体能力は生まれながらのものだから当たり前、そういう印象ありますよね。

しかし、僕たち人間の遺伝子は99.9パーセント同じだそうな。つまり、隣にいる見知らぬ人の遺伝子はあなたのものとほぼ同じ、ということになります。

黒人、白人、黄色人種など、肌の色の違いは単なるメラニン色素の量によるもの。

こうなってくると白人至上主義や黒人差別、倫理的にも科学的にも見当違いになってくるんですよ。

 

 

話がそれてしまいましたが、黒人選手は身体能力が高い、というのは固定観念というお話をします。

長距離走で常にトップレベルのケニヤ人選手たちですが、ケニヤ人全員が肺活量がすごいとかいう話ではありません。

トップレベルのケニヤの選手たちの出身地がケニヤのある地域に偏っているんですよ。

その地域の何が違うかというと、「学校が遠いこと」なんです。

つまり、ケニヤの選手たちは子供の頃から日常的に走っているんです。しかもその距離は片道20キロに及ぶこともあるそうな。

 

バスケットの神様マイケル・ジョーダンも

私は9,000回以上シュートを外し、300試合に敗れた。決勝シュートを任されて26回も外した。人生で何度も何度も失敗してきた。だから私は成功したんだ。

と申しております。

これを聞いたら、僕たちが天才に抱きがちな「天才だからできて当たり前」という考えは吹っ飛びませんか。

 

 

おまけ

おまけというか、これは科学界での現在の結論なんですが……。

練習時間の差だけでは、天才とそれ以外の人たちとのパフォーマンスの差を説明がつかない

つまり、天才はやはり存在するもので、短時間でもスキルを身につけられたりするわけですよ。

ある主張が出ても、数年後に研究が進んでそれが覆されることがある。そこが科学のおもしろいところであり、信憑性が高い所以であります。

常に監視されあってるから、嘘をでっちあげることが難しいんですよね。

 

あ、参考記事ものせておきます。

・勉強ができる人とできない人の差は1万時間の練習でも埋まらない

・誰でも天才になれる「1万時間の法則」が間違いだった件

・「1万時間の法則」がまたも追試でコテンパンにされてた件

 

 

まとめ

「おまけ」の部分で本書の主張が否定されておりますけども、練習の大切さが否定されたわけではないので、というか何事もやってみるまでわからないんで、意図的な練習をしばらく続けることが大切ではないでしょうか。

今回は三点しか紹介しきれてませんが、本書ではスポーツや発表会などの大舞台で起こりがちな「あがる(極度の緊張状態)」という現象や「燃え尽き症候群」に関する著者の考察や研究もあって、かなり読み応えがありました。

興味があれば読んでてみてはいかがでしょうか。

 

あ、子供に英才教育を施そうと思ってるそこのあなた、内的動機もめっちゃ重要らしいんでご注意くださいね。

 

 

本書と関連するおすすめの本↓

 

 

最後に、よくトラブルに巻き込まれるという才能を持った僕のバリでの冒険記の紹介です。

『冒険で学ぶ人生のサバイバル術(上)(下)』、もしあなたが若い時にもっと挑戦するべきだったなと思っているなら、ぜひチェックしてみてください。

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