シンガポール

第14話 チャンギ空港でのひととき

空港でのひととき

    僕がシンガポールのチャンギ空港に着いたのは、昼12時過ぎだった。   これからタイのプーケットに飛ぶのだが、実はこのフライトは、僕と一緒に旅する予定だったシンガポール人の友達が予約してくれたものだった。 彼が二度沖縄に来て、ウチのエアビ(Airbnb)に泊まってくれて仲を深めた。   僕がシンガポールに行くと彼に報告した時に、彼から、それなら一緒にタ […]

第13話 旅立ちの朝

    翌朝、僕は寝坊することなく4時に起きることができた。   まだ時間に余裕があるので、まずは腕立て、腹筋、背筋、スクワットをやって体を目覚めさせた。筋トレの後、シャワーで汗ばんだ体を洗い流してさっぱりした。 それから準備して、チェックアウトだ。   フロントのお兄さんも、朝早いのでまだ眠そうだ。 ――仕事なんだから、もっとビシッとせんかい。 と、僕は思 […]

第9話 世界最強の寝具

    僕がターミナルに到着すると、マークが少し眠そうな顔とともに温かく迎えてくれた。 僕が彼に放った第一声はもちろん、「long time no see(久しぶり)」ではなく「I’m so sorry(誠に申し訳ありませんん)」である。 しばらくヒッチハイクは控えようと思う。   まずは、マークが僕を車でカウチサーフィンのホストの元へ送り届けてくれる。 […]

第8話 ジョホールバルの歓喜

    シンガポールからは2時間もかからずにマレーシアのジョホールバルまで来ることができた。   サッカーが好きな人なら一度は耳にしたことがあると思うが、あの「ジョホールバルの歓喜(サッカー日本代表がワールドカップ初出場を決めた試合の開催地)」のジョホールバルに僕はいる。僕は、あの、日本代表が歴史に名を刻んだ場所に立っている。   なんと感慨深いことか。 & […]

第7話 ヒッチハイクで国境超え

    翌朝、旅立ちの日がついにやってきた。僕はシンガポールから隣国のマレーシアへ向かう。 最後にサトシとルームメイトと朝食を食べているときに、僕はあることを思いついた。   「そうだ、ヒッチハイクで国境を越えよう」   二人は僕の発言に一瞬驚いたが、君ならできる、と後押ししてくれた。   二人と別れたあと、僕はさっそくマレーシア行きのバスが出るタ […]

第4話 神秘的な交流

    おじさんのおしっこを見届けた後、僕はふと、あるシンガポール人のカップルのことを思い出した。 そのカップルは一ヶ月後に沖縄の僕のエアビ(Airbnb)に泊まりにくる予定で、シンガポールに来るのでタイミングが合えば飲みに行こう、と僕は前もってメッセージしていた。   今まですっかりそのカップルのことを忘れていたが、今日は金曜なので声をかけたら彼らと一緒に飲みに行け […]

第3話 シンガポールはすごいぞ

    建物の外観と比べたら少し古さを感じるサトシの部屋ではあるが、可もなく不可もなくといったところだ。サトシの部屋には寝室が三部屋あった。 元々は3人でシェアしていたが、1人が出ていってしまったので、最近から一部屋をカウチサーフィンのゲスト用にしているとのこと。 もうひとりのルームメイトは仕事に行っていて、今はいない。   僕の前にもドイツ人の男が1人泊まっ今朝出た […]

第2話 公共の場での個人宛メッセージ

    僕は着陸の衝撃で目を覚ました。どうやら、もうシンガポールに着いたようだ。 上空からの街の景色を見損ねたからだろうか、まだシンガポールに来たという実感が全然湧かない。 那覇からシンガポールまで一度も目が覚めなかった。おかげで眠気は吹っ飛び、身体も今すぐにでも100メートル走れるくらい活力に満ちあふれている。   冒険の準備はできている。   飛行機から […]