バリ島

2/4ページ

第50話 アルマゲドン

    僕とリッキーとゆうやがアメドの宿に到着すると、先に着いていたマルセロたちが宿のレストランで座って待っていた。 先にみんなでランチを済ませてから、それぞれの割り当てられた部屋に分かれた。 もちろん部屋の割り当てはマルセロとタイサ、新たに仲間に加わったアレックスとビビのカップルで分かれ、僕とゆうや、そしてリッキーの独身貴族(独身難民でもある)3人衆はいつも通り部屋をシェアす […]

第48話 新たな旅の仲間たち

    サウナのように蒸し暑いクラブで楽しんだ翌朝、オレは遅めの朝を迎えた。 目が覚めると部屋をシェアしているゆうやとリッキーはすでに目を覚ましていたようで、すでに起き上がっている。 それになんだか外が騒がしい。こんな朝っぱらから騒がしいなーーーと思いながらも部屋の外に出てみた。       部屋から出ると、そこには見かけない男女が2人いてマルセロ […]

第47話 サウナクラブ

    クラブの入り口でオレたちを引き止めた黒人マッチョマンのセキュリティーの2人は、無言でオレたちが持っているビール瓶を指さした。 「なんだ二人とも。このビールが飲みたかったのかあ。お安いご用だ」とリッキーが笑顔で張り詰めた空気を和ませようとした。 「・・・違う。飲食物の持ち込みは禁止だ。捨てろ」マッチョマンのひとりが近くにあるゴミ箱を指さしながら言い放った。 「なーに言って […]

第46話 ポケモンゲットだぜ

    いつの間にかDJガールは帰り支度をしていて、一緒に来ていた友人とともに帰ろうとしていた。 やばい、せっかくの獲物に逃げられてしまう。 ハンターと化したオレは、気がつくと彼女の目の前に立っていた。男の本能がそうさせたのだろう。       しかし、何の策も練っていなかったオレは、コミュ力が皆無だった20代前半の頃のようにあたふたした。そう、い […]

第45話 DJガール

    あのお姉さんをDJブースで発見してテンションの上がったオレは、彼女に声をかけようと思ったところを、彼女のプレイの邪魔をしてはいけないと、もう一歩のところで踏みとどまった。仕方なく、目から熱光線が出そうなほどの眼力を込めて見つめた。     オレの熱光線は彼女に届いて、彼女の心を焼き焦がしたのだろう。彼女はオレに気づいて、DJの機器から手を離して、こち […]

第44話 クリスマスプレゼント

    クリスマスイブ二軒目のバーは、アグン山登頂の直前にもお世話になった、リサとユナのいるミュジックバーへ。 バーの前に差し掛かると、ユナが昨日と同じく笑顔で呼び込みをしていた。 オレたちの姿を見つけると、もちろん飲んでくわよね、といった具合にわずかに流し目を使ってオレたちに声をかけてきた。       その手には乗るか……いや、乗っておこう。お […]

第43話 クリスマスイブ

    カルボナーラを楽しんで宿へ戻ると、長い冬眠から目を覚ましたクマさん……、いや、リッキーがオレとゆうやを待ち受けていた。 「お前たち、オレ様を差し置いて、いったいどこに行っていたんだ?」 「いや、その……腹ごしらえというか、夕食というか」 なんだかよくわからないが、リッキーから嫌悪感を感じるぞ。       恐る恐るカルボナーラを食べてきたこ […]

第42話 復活

  アグン山から宿へ戻ると、宿のおばちゃんが笑顔でオレたちを迎えてくれた。       おばちゃんには、命がいくつあっても足りないから、アグン山だけは辞めておけ、本当に行くのか、やめろ、としっかりとマルセロ師匠を説得するべきだったと文句のひとつやふたつを言ってやりたいもんだ。が、体のすべてのエネルギーを使い果たしているので、今回は許してやろう。   […]

第41話 アグン山制覇

    スタート地点の寺院が見えてからというもの、早く帰って眠りたいという気持ちが強くなって、足が自然と前へ前へと進んでいく。 先頭のガイドのおっちゃんは、相変わらず疲労の色を見せることなく、オレとゆうやと、少しずつ遅れ始めたリッキーのことを確認しながら先導している。普段から何度と登頂しているとはいえ、4、50代であろうおっちゃんの体力は驚異的である。     […]

第40話 DEATH SLIDING デス・スライディング〜死への滑走〜

    下山は登り以上に過酷だった。登りで体力を使い切った上に、一歩一歩踏み出すたびに、登り以上の負荷が足にかかる。そんな体に、まず最初に岩場エリアの試練が襲いかかってきた。 ガイドのおっちゃんのあとに続いて、一歩一歩慎重に踏み出していく。       まずは安定するポイントを、何も目印のない大きな岩の中に探して、そっと足を置く。岩は露で湿っている […]

1 2 4