バリ島の大冒険

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第64話 リッキー氏

    僕たちがビーチに辿り着いたとき、闇が空を覆い始めていた。 ビーチへ行くには、大きな岩の間にあるかろうじて人がひとり通れる階段を下りていかなければならなかった。 暗くなり始めているこの時間帯に海に向かっていくのは僕たちだけだ。上がってくる人たちをよそ目に、僕たちは階段を下りていった。       階段の下までいくと満潮に近づいているようで、す […]

第63話 寝ると白髪に染まるベッド

    僕たちは、どうにか日没前にウルワツに着いたのだが、前もって予約していなかったため、今夜の宿を探さなければならなかった。 だが、意外と簡単に宿が見つかり、そのままそこに泊まることにした。まずは荷物を置くため、それぞれの部屋に入った。       ここまできたら言わなくてもわかると思うが、部屋の割り振りはいつも通り、僕はゆうやとリッキーと一緒で […]

第62話 ロードトリップ

    次の冒険の地ウルワツへの出発は、午後、マルセロが用事から帰ってくるまで待たなければならなかった。 それまではホテルのプールで泳いだり出かけたりと、それぞれが自由に過ごした。 午後3時を過ぎた頃、ようやくマルセロが戻ってきて、やっとのことでウルワツへ出発することになった。       今回は初となる、みんなでスクーターでの長距離の移動。僕は、 […]

第61話 走れ、メロスどもめ

    翌朝、腹痛から回復したリッキー(どうやらお尻は無事だったようである)とゆうやと共に、まだ途中だったミッション「移動用のスクーターを確保せよ」(あと3台必要)に取り掛かることにした。 まずは、僕の提案でバリ島についた初日に宿泊した宿「ルマ・サンバ」に行くことにした。僕たちが宿泊した際にスクーターを貸し出していたので、もし余っていたら借りられるかもしれない。   […]

第60話 腹痛プロライダーの教え

    しばらくして、マルセロとリッキーも合流すると、僕たちのディナーはスタートした。 インド料理のレストランとあって、やはりカレーとナンがうまい。僕が頼んだチーズナンは、僕がバリで食べたものの中でバビグリン(豚の丸焼き)に次いで旨い。有名どころのナシゴレンもうまいのだが、辛いんだよ。     ただでさえモチモチ感がたまらないナンなのに、とろーりチーズが加 […]

第59話 卑猥な3ケツ

    レンタルスクーターで帰りながら、もう少しで宿に到着というところで、僕たちはいくつもの屋台が立ち並ぶ小さな広場を見つけた。そこからは、食欲をそそる肉の香ばしい匂いが漂ってきた。 僕たちは宿にスクーターを停めると、さっそく歩いてその広場へ向かった。       広場ではさまざまな食べ物が売られていた。サテと呼ばれるバリの串焼きや、ミートパイのよ […]

第58話 レンタル彼氏

    僕たちは再びサヌールに戻ってきた。サヌールに来たのは何度目になるだろうか。バリ島にいるはずなのに、なんだかホームタウンに帰ってきた気分だ。と言っても、実際はまだ3度目なのだが。 前回も泊まったインディホテルにチェックイン。ブラジル人2人と日本人2人の男4人とマルセロの妹ビアンカだけだった旅が始まった頃と違って、タイサが合流してアレックスとビビのカップルが合流してからは、 […]

第57話 あの車を追ってくれ

    僕たちはサヌールに向かうため、2台に分かれてタクシーに乗り込んだ。 部屋の振り分け方は、いつの間にかこの場合にも適用されていた。つまり、カップルか独り身かで分けられる。 マルセロとタイサ、アレックスとビビのカップル組と、僕とリッキーとゆうや独り身トリオに分かれた。       なんか独り身の3人が立場的に下に見られているような気がする。僕の […]

第56話 食べ物の恨み

    今日はチェックアウトの日。アメドから再びサヌールに戻る。 それぞれが荷物をまとめると、一緒に朝食を食べて宿泊代、バビグリン(豚の丸焼き)を含めた食事代の支払いをする。 スタッフが合計金額を僕たちに伝えたところで、ブラジル人男性陣がキレた。       「なんじゃこりゃー!!! 高すぎるわ!!」 どうやら食事代が予想を上回る金額らしい。思い返 […]

第55話 普通の旅行では体験できない旅の醍醐味

    翌日、宿の仕事を終えたレントッドが、同じく宿のスタッフとして働くいとこのプトゥを連れて僕を迎えに来た。約束通り、僕を地元で人気のクラブ的なバーに連れて行ってくれるようだ。 「今日はユウマに楽しんでほしいから、もし女の子を連れ出せた場合、宿の空き部屋をオーナーに内緒で用意してるからタダで使ってね。それに、オレたちはバイク2台で来てるから、帰りはバイク1台使っていいよ。女の […]

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