第40話 DEATH SLIDING デス・スライディング〜死への滑走〜
下山は登り以上に過酷だった。登りで体力を使い切った上に、一歩一歩踏み出すたびに、登り以上の負荷が足にかかる。そんな体に、まず最初に岩場エリアの試練が襲いかかってきた。 ガイドのおっちゃんのあとに続いて、一歩一歩慎重に踏み出していく。 まずは安定するポイントを、何も目印のない大きな岩の中に探して、そっと足を置く。岩は露で湿っている […]
下山は登り以上に過酷だった。登りで体力を使い切った上に、一歩一歩踏み出すたびに、登り以上の負荷が足にかかる。そんな体に、まず最初に岩場エリアの試練が襲いかかってきた。 ガイドのおっちゃんのあとに続いて、一歩一歩慎重に踏み出していく。 まずは安定するポイントを、何も目印のない大きな岩の中に探して、そっと足を置く。岩は露で湿っている […]
せっかく出会ったピッコロという仲間との別れはつらかったが、先へ進まねばならない。気持ちを切り替えて、新たなドラゴンボール仲間の発見に期待しよう。 途中、お酒が切れたので、コンビニによって、コスプレの人たちだらけのトイレの行列に並んで用をたし、ひとりひとりがビールやマッコリを調達して、再び通りに戻った。 行列の中を小さくまとまって […]
頂上で日の出を拝もうと、オレたちは疲労困憊になりながらも、過酷な岩場エリアを死に物狂いで登っていた。 軽いハイキングのつもりで来たのだから、手袋を用意しているわけもなく、氷のように冷たい岩を触るたびに、次第に手の感覚がなくなっていく。手を滑らせてしまえば、崖に落ちてゲームオーバーという死と隣り合わせの状況で、かろうじて集中力は保たれていた。 […]
バーに入った瞬間に、オレは何か違和感を感じた。それが何なのか突き止めるために、周りを注意深く見渡してやっとのことで気がついた。ここはゲイバーであった。バーのお姉さんたちはみな、オネエだったのである。ヒゲの濃いオネエもいたりと、よく観察するとすぐにわかるものであった。 まさか、韓国で人生初のゲイバーを体験するとは思いもしなかったのである。 &n […]
休憩のあと、道はさらに急勾配になり一段と険しくなった。 さきほどまでの余裕しゃくしゃくな雰囲気とは打って変わって、誰も口を利かなくなり、みんなのハアハアという息が響き渡る。 時折、列の最後尾で遅れているリッキーを、ガイドのおっちゃんが「がんばれ」と励ます声が聞こえるのだった。 無我夢中で先頭のおっちゃんのあとを着いていく。しば […]
オレたちは、ハロウィンに参加する前に夕食をとることにした。エイミーとの約束通り、エイミーの部屋に泊めてくれる代わりに夕食代はオレが払うことになった。 さっそくエイミーのお気に入りの居酒屋で少し飲みながら夕食を済ませた。 居酒屋から出ると、外はすっかり暗くなって肌寒い。韓国の秋は沖縄の真冬並みの寒さで、気温は10度強ほど。オレにと […]
車に揺られること約1時間、ついにウブドから目的地のアグン山に到着した。 オレの強みは、いつでもどこでも眠ければどんな環境だろうと寝れること。おかげで、出発30分前までお酒を飲んで酔っていたが、だいぶ回復したようだ。 今は午前1時。車を降りると、いくつか街灯があってオレンジの光があたりを照らしている。ここは山の1400m地点という […]
オレとエイミーがソウルの観光名所のひとつ、キョンボックンに着いたのは夕方4時過ぎ。徐々に日が沈み始めていた。先程までの太陽の温もりは既にどこかへいってしまって、肌寒くなってきている。 閉館時間まで2時間もないので、チケットを購入して少し急いで中に入った。 門をくぐると、目の前には大きな中門がもうひとつ。沖縄の首里城よりも規模が大 […]
ウェイトレスのふたりがオレたちの元へ来ると、オレとリッキーは彼女たちに自己紹介した。 「こんばんは。ゆうまとリッキーだよ、よろしく。ふたりの名前は?」 ウェイトレスのひとりは、少し大人の女性のオーラを出しているユナ、そしてもうひとりが、まだあどけなさが残る少女のようなリサ。ふたりとも綺麗な長い黒髪をなびかせている。年はおそらく2 […]
それは、ある日曜の昼下がりのできごと。私が車を運転していて、交通量の多い沖縄の国道58号線の左側の車線で信号待ちをしているときだった。 突然、誰かが車の窓をノックしてきた。 信号待ちで車の窓をノックする。それは、ブラジルに住んだことがあるオレが、ブラジル人の友達から何度も聞いたブラジルでの強盗のパターンのひとつである。 ブラジル […]