ウブド

第97話 ひとりで過ごすことの本当の意味

    マッサージのおかげで夜はぐっすりと眠れ、翌朝には体の疲れがすっかり取れていた。 しかし、滝ジャンプの挑戦の証が、僕の体にしっかりと残っていた。       腕にあざができていたのだ。やはり僕の着水の仕方が悪かったようだ。お尻にもあざができる可能性はあったが、お尻は無事だったので写真には収めていない。読者にお見せできないのが誠に残念である。 […]

第93話 大人の本気の川遊び

    ディーバがグループに及ぼしていた悪影響から、僕たちはついに開放された。 彼女が何かやらかす度に申し訳なさそうにしていたケビンは、表情が活き活きとしている。   昼食のあと、さっそく一同はウブド観光を開始した。   まずはじめは滝である。 蒸し暑いバリの気候なので、水遊びができるとなると大人でも大はしゃぎである。   しかし、滝までの道のりは […]

第92話 ダークエンジェルを強制送還

    翌朝、みんなより少し遅めに僕が目を覚ますと、グループの中で一番年長であろうアレックスが真剣な表情でディーバを説得していた。 アレックスの説得が終わると、正式に「ディーバ、強制送還」が決定した。   今日はウブド周辺を観光する予定だが、その時間が短縮されることを考えても僕たちグループにとってはディーバがいない方がいいという結論に至った。   ディーバは […]

第91話 行きつけのバー

    僕のお気に入りのミュージックバーには、リサもユナもDJガールもいなかった。その代わり、前回ノリノリでキレのあるダンスを披露してくれたセキュリティのおっちゃんが、僕たちを笑顔で迎えてくれた。 僕はいまだに、このバーにセキュリティの必要性を感じないが、彼の場合はセキュリティの意味合いよりも客との和みといった意味合いが強いのかもしれない。   酔っ払いが暴れだしても […]

第89話 猟奇的なダークエンジェル

    僕たちはサヌールのインディホテルでアレックスとビビと合流した。 このカップルは数日の間、常にテンションMAX(特にマルセロとリッキー)の僕たちグループと離れ、束の間の二人だけの時間を過ごしリラックスできたようだ。二人の顔からその様子が伺える。 僕には二人が無理やり戦場にかり出される兵士のように思えて、気の毒に思う。   二人とバトンタッチして戦場を離脱すること […]

第49話 根に持つタイプ

    ウブドからマイクロバスで出発して1時間ほど経っていたようだ。マイクロバスが止まったところで目が覚めた。 出発からかっ飛ばしていたので(車ではなくみんなのテンションのことね)早急にエネルギーを使い果たし、車内のほとんどの人が眠っていたようだ。       外を見るとすぐそこにコンビニがあった。運転手が車から降りたところを見ると、どうやら休憩時 […]

第48話 新たな旅の仲間たち

    サウナのように蒸し暑いクラブで楽しんだ翌朝、オレは遅めの朝を迎えた。 目が覚めると部屋をシェアしているゆうやとリッキーはすでに目を覚ましていたようで、すでに起き上がっている。 それになんだか外が騒がしい。こんな朝っぱらから騒がしいなーーーと思いながらも部屋の外に出てみた。       部屋から出ると、そこには見かけない男女が2人いてマルセロ […]

第43話 クリスマスイブ

    カルボナーラを楽しんで宿へ戻ると、長い冬眠から目を覚ましたクマさん……、いや、リッキーがオレとゆうやを待ち受けていた。 「お前たち、オレ様を差し置いて、いったいどこに行っていたんだ?」 「いや、その……腹ごしらえというか、夕食というか」 なんだかよくわからないが、リッキーから嫌悪感を感じるぞ。       恐る恐るカルボナーラを食べてきたこ […]

第42話 復活

  アグン山から宿へ戻ると、宿のおばちゃんが笑顔でオレたちを迎えてくれた。       おばちゃんには、命がいくつあっても足りないから、アグン山だけは辞めておけ、本当に行くのか、やめろ、としっかりとマルセロ師匠を説得するべきだったと文句のひとつやふたつを言ってやりたいもんだ。が、体のすべてのエネルギーを使い果たしているので、今回は許してやろう。   […]